「仙台四郎」は仙台市や宮城商圏で古くから商売繁盛の福の神として知られています。その名は実在した男性の通称で、彼は1855年生まれという説が有力ですから、2020年で生誕165年。「四郎が訪れる店は繁盛する」と明治期に噂が広まり、その死没後も写真によって偶像化が進みました。
商売繁盛を願うお店では、「仙台四郎」の座りポーズの写真を掲げるのが基本作法です。明治の頃に撮られた彼の肖像写真が広く御札のように出回っており、宮城商圏だけのアイコンとして全国的に認知されるようになりました。
「絵になる仙台四郎」展は、その仙台四郎をモチーフに様々なアーティストやイラストレーターたちが絵を創る、というグループ展です。アートをもっと日常生活に取り入れたい、エンターテインメント化したいと活動しているキュレーターや画廊が協力しあい、この地方で根付いている図像にあやかるならば、自然とアートを買うことに結びつきやすいのではないかという考えから活動がスタートしました。これまで、2014年と2019年に仙台市内で展覧会を開催しています。
インパクト十分な仙台四郎像ですが、古ぼけた写真だけは現代の建築空間に合わないケースもあります。雛人形に「変わり雛」があるように、伝統的な図像をベースにしながらも様々な描画・手法によって生み出される四郎がいてもいいのではないでしょうか。
本展ではこれからも仙台在住の作家たちを中心に、それ以外の街に住む注目の作家たちも含め、様々な制作手法と構想による仙台四郎をご紹介してまいります。お客様それぞれが各自の心に合う四郎、部屋にいて欲しい四郎に出会っていただければ、私たちにとってもこの上ない喜びです。
第1回 展覧会について(2014年)
https://sendaishiro.com/archives-exh2014
第2回 展覧会について(2019年)
https://sendaishiro.com/archives-exh2019
企画・運営者
1999年~2016年まで東京都渋谷区猿楽町にてアートギャラリー「GALLERY SPEAK FOR」を運営し、以後も様々なスペースで展示活動を手がけている制作会社、合資会社サブライムが主体となって運営しております。東日本大震災後の仙台に新しいアートコンテンツを提供したいと願い、2014年に初めて「絵になる仙台四郎」展を開催しました。
詳しくは、GALLERY SPEAK FORのHPをご覧ください。