タイルモザイクで、ぬくもりある表現
落合香木さんにとっての「画材」は、色とりどりのタイルピース。それらを切り出し一枚ずつ接着剤で貼り合わせるタイルモザイク手法で絵を創り続けています。タイルを切り絵や影絵における紙のように使いこなす技の凄さ。つややかで冷たい印象の表面質感と、童話のように温かみのある話法を備えた描画世界の広がりとのコントラストが、絶妙な味わいを生んでいます。仙台四郎の肖像はモザイク手法では再現難易度がとても高いのですが、2019年の第2回展でお得意の猫モチーフも加味した2作にチャレンジ。いずれも大好評をいただきました。
profile
おちあいかなぎ。1988年、宮城県生まれ、2011年、東北生活文化大学生活美術学科を卒業後、本格的に創作活動を開始。最近の個展に「存在した日」(2019年、仙台・晩翠画廊)、「N.E.blood21 落合香木展」(2020年、気仙沼・リアス・アーク美術館)など。手がけた書籍装画に「新装版 三四郎はそれから門を出た」(三浦しをん、ポプラ文庫)がある。「モザイクビエンナーレ 2011」笠原賞、「モザイク展 2017」タイルミュージアム賞。仙台市在住。