ARTIST’S STORY 曄田依子

ミックスカルチャーが浮き彫りにする人の本質描く

おもに獅子のような犬たち「獅子狛犬」を透明水彩絵具や墨、金泥などを使って描いている曄田さん。「犬の系図」とは彼女が一貫して追い求めているテーマです。グラデーション豊かで繊細な愛情を感じるその画風は、どれも伝統文様などと混交され、ミックスカルチャーによるズレや違和感の面白さが浮き立っています。「古代、信仰のため日本に呼ばれ、獅子から犬へと転じた狛犬」に興味を深め、犬を描きながら人間の歴史や本質を照射しようとする揺るぎないスタンスで表現されているもの。書籍装画を多く手がけ童話の自著も上梓するなど、幅広く活動中。仙台四郎にも興味をもっていたとのことで、狛犬を仙台四郎に置き換え人間の本質へとアプローチする意欲作を、第3回の仙台四郎展に初めて出展いただけることになりました。

profile

ようだよりこ。画家 / イラストレーター。1980年、愛媛県生まれ。東京都在住。武蔵野美術大学油絵科卒業後、和紙に水彩、金泥や墨などを用いたミクストメディア作品を創作。日本を基としたアジアの伝統文化と現代の価値観との結び目をテーマとし国内外で活動中。書籍装画も数多く手がける。漫画「左ききのエレン」 (原作・かっぴー、漫画・nifuni 、ジャンプコミックス)に劇中画を提供。著書に「繕い屋の娘カヤ」(岩崎書店)がある。住吉大社御祓講獅子意匠預。

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