ARTIST’S STORY 村上 萌

空気感まで繊細に描く鉛筆画、少女画の気鋭

ふんわりとした天使のような表層感まで鉛筆を駆使して描きあげる、村上萌さんの少女画。特に髪や目のレンズ感、花びらなどプロップや「空気」の質感表現などは非常に透明度が高く、リアルなレイヤー感を差し入れた多重的な構想が魅力です。一見扱うのが難しい甘めのパステル系ミックスを避けずに着彩された独自の美しいアートワークが高く評価されてきました。描かれる人物の憂いを感じさせる表情や場面設定に、女性美を超えた生命力までをも視野に入れていることが伝わります。その表現力と彼女の別プロジェクト「ねこぱんつ」とを組み合わせたらどんな仙台四郎になるか。そのオファーの結果は、四郎さんをねこに例えた「白」と「黒」の優れたペア作品に仕上がりました。

profile

宮城県生まれ、桑沢デザイン研究所を卒業後、本格的に創作活動を始めた。おもに鉛筆を駆使した女性画が知られている。「MUZIK 4 THE BOYZ」のジャケットを手がけるなど、コミッションワークも展開。最近の個展に「ひとひら、」(2018年、銀座幸伸ギャラリー)、「すくって、つむいで」(2019年、大阪市・芝田町画廊)がある。ぱんつをはいたりかぶったりする独自のキャラクター「ねこぱんつ」の作者としても知られ、漫画や絵本、関連雑貨も展開中。神奈川県在住。

http://nene.her.jp/