多重的表現で促す、モチーフの内面世界への旅
女性ポートレートのイラストレーションで独自のジャンルを築き上げたと言われる、宮島亜希さん。細い線で表現する凛々しい輪郭の女性たちと、花や動植物などが装飾的にオーバーラップされています。人物たちを「+α」レイヤーで多重的に表現することで、その人物の内面世界への想像の旅を促しつつ、色数を抑えわずかにダークサイドを示唆することで神話性までも演出する、そんなモードな魅力たっぷりのアートワークなのです。絶妙な構図づくりもグラフィック業界から高い評価を得ており、国内外を問わずコラボレーションを多数手がける宮島さんですが、第3回の仙台四郎展へのご出展依頼に、嬉しいご快諾をいただくことができました。ミスマッチにも見えたコラボレーションでしたが、スズメたちと、幸福の花言葉を持つ花々で彩られた、今までにない神秘的な仙台四郎像が出現しました。
profile
みやじまあき。イラストレーター。1979年、滋賀県生まれ。京都芸術デザイン専門学校 情報デザイン総合学科を卒業後、フリーのイラストレーターとして活動開始。おもに水彩絵具を使用した女性画や動植物の絵で高い評価を受ける。KishiBashi、浜崎あゆみ、SID、沖仁などミュージシャンのためのアートワーク、ISSEY MIYAKE、SONY、Starbucks、Amazonなど企業からのコミッションワークを多数手がけている。最近の展示活動として、二人展 「マニヤラ、マニヤラ」(2017年、南青山・白白庵)、二人展 「ROTARI PARKER × Aki Miyajima『スナック麦』」(同年、原宿・Galerie LE MONDE)など。大阪市在住。